- 2025年3月23日
医学部卒業式のリアル~えっ、まだ医者じゃないの!?~
春ですね。卒業式シーズンです。街には袴姿やスーツ姿の学生たちがあふれ、笑顔と涙が入り混じる季節。卒業といえば「おめでとう!」なイベントですが、京都府立医科大学の卒業生の気持ちは少し…いや、かなり複雑 です。

私もずいぶん前になりますが、その独特な空気を味わった一人です。では、なぜ卒業式の雰囲気が微妙なのでしょうか? その理由は、医師になるために避けて通れない医師国家試験のスケジュール にあります。
2025年の第119回医師国家試験 は、2月8日(土)・9日(日)の2日間にわたって実施され、合格発表は3月14日(金)。
そして、卒業式はその前の 3月1日(土)。
つまり、卒業しても まだ医者じゃない のです。卒業証書はもらったけれど、医師免許証はまだない。医学部を出たのに 「医師ではない」 という宙ぶらりんな状態。これが本学の卒業生が置かれるリアルな立場です。
それだけではありません。医師は免許がなければ働けない職業 です。つまり、国家試験に落ちれば、たとえ勤務先が決まっていても「医師」として働くことはできません。合格できなければ、資格がないだけでなく、社会人生活すらスタートできず、「浪人生」となってしまうのです。

かつては「卒業後に国家試験」!?
でも、私の時代はもっとスリリングなシステムでした……。

かつての医師国家試験は3月下旬 に実施されており、私達の大学の卒業式は3月初め。つまり、国家試験の前に卒業してしまうのです。
当然、卒業式どころではありません。衣装は卒業式モードなのに、心は数週間後の国家試験に向けて完全に試験モード。
さらに恐ろしいのは、合格発表が4月下旬 だったこと。
でも 医師としての仕事は4月から始まる わけで……。
もし国家試験に落ちていたら……
「おはようございます! 今日からお願いします!」
↓ 数週間後
突然消える。(周囲:「あれ?◯◯先生どこ行った?」)

これ、笑いごとじゃなくて、本当に全国で起こっていた話です(府立医大に限りません)。ある日を境に、同期が“いなかったこと”になる。なんとも恐ろしいシステムでした。
さすがに「これはヤバい」ということで、2005年(第99回医師国家試験)からスケジュールが変更されました。試験は2月中旬に実施され、3月中に結果が出る ように改善。今の医学生たちは、仕事初日から 正式な医師として研修をスタート できるのですね。「仮免許」でスタートした我々からすると羨ましい限りです。
研修医生活は「学生気分終了」の世界
とはいえ、そこからが本番。研修医生活は、まさに 「学生気分なんて即終了」 の世界。多忙な日々の中で、時には厳しい指導を受けながら、患者さんの命を預かる責任を学んでいきます。
卒業する医学部生の皆さん、おめでとうございます! そして、新研修医の皆さん、ようこそ眠れぬ日々へ!🎉
