- 2025年1月27日
(消化器内科医である)私の胃カメラ体験談
先日、胃カメラ検査を受けてきました。日常的に患者さんには検査をお願いしていますが、自分で受けるのは何度でも緊張します。
検査は木曜日の15時。早朝に朝食と食べたあとは水だけで我慢します。間違っても「原野さん、何か食べました?食事が残っていますね・・」なんてことは避けなければなりません。幸い緊張のせいかそれほど空腹は気になりませんでした。
診療終了後クリニックをお伺いします。先生とお話をし、さあ第一の難関、局所麻酔です。私はとにかく喉が敏感で口に異物が入るだけですごくえずきます。歯医者さんで歯形をとるときは大量のタオルを持参、皆さんを驚かせないよう部屋に一人きりにさせていただく始末です(以前泣いている様に見えたらしくびっくりされたので)。麻酔がしっかり効くよう喉の奥にシロップを溜め、心を無にして反射をこらえます。今回はなんとかうまくいきました。自転車で移動するので鎮静剤は使わず、鼻からの検査をお願いしています。鼻からの内視鏡ができる様になったことは私にとって福音でした。苦痛は段違いです。 準備が整い、いよいよ検査開始です!

「さあ、始めましょう」。先生の優しい声とともに検査が始まりました。 今回は鼻からの内視鏡検査です。私は鼻中隔湾曲症のため鼻腔が狭いのですが、この日は調子が良く、スムーズに内視鏡が通過しました。 次は最大の難関、喉の通過です。一度通過すれば違和感は軽減しますが、挿入時は敏感なため緊張します。「楽にしておいてくださいね」という声に従い、目線を遠くに向け、肩の力を抜いてリラックス。喉に独特の違和感が広がりますがなんとか咳き込むこともなく上手くいきました。
続けて食道を観察します。初期の食道がんは平坦な病変が多いため、特殊光(青色の画像)を使い隅々まで詳しくチェックします。その分空気が入り、ゲップを我慢する場面が増えます。さらに奥の十二指腸も観察しますが、ここは範囲が狭いため短時間で終了しました。
最後は胃の観察です。胃は広いため空気を入れたり抜いたりしながら5分以上かけて確認しますが、喉が慣れているので苦痛はほとんどありません。「そろそろ終わりますよ」の声とともに空気が抜け、お腹の張りも解消されました。 最後に食道を再確認し検査は無事終了。幸い問題は見つからず、ほっと胸を撫で下ろしたのでした
定期的に胃カメラ検査を受けていますが、いつも患者さんの気持ちを忘れないようにと再認識します。検査をする側としては慣れていますが、いつまで経っても検査される側となると緊張するものです。
私はあえて先生のお話を聞きながら検査を受けていますが、当院では鎮静剤の使用もおこなっておりますのでいつでもご相談ください。