- 2025年7月5日
「私たち専門医は40歳で受けています|大腸カメラで始めるがん予防」宝塚市
日々の診療の中で、患者さんからよくこんな質問を受けます。
「先生、大腸カメラって、した方がいいんですか? するなら何歳からがいいんでしょう?」

実はこの質問に対する“いちばん信頼できる答え”は、
「消化器内視鏡の専門医が、自分自身はいつ受けているか」にあると思います。
なぜなら、病気について最も詳しく知っている立場の医師が、
自分自身に最適だと判断して受けているタイミングこそ、実は一つの指標になるからです。
- 専門医の多くは、40歳を過ぎたら大腸カメラを受けています
私の周囲でも、40歳を過ぎた時点で一度は大腸内視鏡検査を受けているという医師が圧倒的に多く、私自身も40歳のときに初めて大腸カメラを受けました。
というのも、私自身が40代の患者さん(しかも子育て中のお母さん)2名を、大腸がんで見送った経験があるからです。

「え?そんなに若くして…」と思われるかもしれませんが、大腸がんは近年、40〜50代での発症も少なくありません。
むしろ、40代こそが予防・早期発見のチャンスなのです。
- 大腸カメラは「早期発見」だけでなく「予防治療」もできる検査です
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、大腸がんを発見するための検査と思われがちですが、それだけではありません。
大腸がんの80〜90%は「大腸ポリープ」から発生すると言われており、内視鏡検査では、このポリープをその場で切除することができます。
つまり、
「がんになる前に取り除く=予防治療」ができるという点で、肺がんや乳がんのように前がん病変が検出・切除できない他のがん検査と比べて、

大腸カメラは“圧倒的に有効な予防手段”なのです。
便潜血検査との違いとは?
自治体のがん検診などでよく行われている「便潜血検査」も、確かに手軽な検査ですが、
これは「出血があるかどうか」を見るものであり、ポリープの有無はほとんどわかりません。
実際に、便潜血が陰性でもポリープが見つかるケースは非常に多く、ポリープががんに進行する前に取り除くには、やはり内視鏡が必要です。
医師や専門家が“自分に選ぶ検査”こそが本当のエビデンス
プロの料理人が一番信頼する包丁を使うように、
パイロットが最も安全なルートを選ぶように――
医師もまた、自分の体に必要だと思う検査を、自分のタイミングで受けています。
その目安が「40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを」という選択です。
何も症状がなくても、それがまさに受けるべきタイミング。
「今、何もない」ことを確認しておくことが、未来の安心につながります。
まとめ|40歳を過ぎたら、一度ご相談ください
大腸がんは、早期に見つかれば治るがんです。
そして、前がん病変の段階で防げる唯一のがんとも言えるかもしれません。
40歳を過ぎたら、「ちょっと受けてみようかな」と思っていただけたら嬉しいです。
宝塚市近隣での大腸カメラをご希望の方は、どうぞお気軽にご相談ください。