- 2025年10月14日
- 2025年10月11日
「長寿眉」は本当に長生きの証? 医師が語る眉毛が伸びる医学的理由
鏡をのぞいていて、ふと気づきました。
「あれ?最近、眉毛がやたら長い…?」

年齢を重ねると、髪の毛は細くなったり減ったりするのに、なぜか眉毛や耳毛は元気に伸びてくる――そんな経験はありませんか?私自身も、気がつけば眉毛が主張しはじめ、「これはもしや“長寿眉”では?」と思ってしまいました。思わず思い浮かぶのは、あの立派な眉毛で知られる村山富市元首相。実はこれ、単なる体質ではなく、きちんとした医学的な理由があるのです。
髪の毛や眉毛など、体毛にはそれぞれ「毛周期(もうしゅうき)」と呼ばれる生え変わりのサイクルがあります。毛は「生える → 伸びる → 成長が止まる → 自然に抜け落ちる」を繰り返しています。若いころはこのサイクルがきちんと働いているため、眉毛も一定の長さで抜けて生え変わります。

ところが年齢とともに、この「成長が止まって抜ける」というスイッチがやや鈍ってくるのです。結果として、毛が予定より長く伸びてしまい、「抜けどき」を忘れたマイペースな眉毛が増えてくるわけです。
昔から「眉毛が長い人は長生き」と言われますが、残念ながら科学的な根拠はありません。眉毛の長さが寿命に関係しているわけではないのです。ただし、毛根がまだ元気に働いている証拠ではあります。つまり、「長寿眉」は“毛が長生きしているだけ”ということですね。
とはいえ、長すぎる眉毛は見た目の印象にも関わります。清潔感のためにはハサミや専用の眉毛カッターで整えるのがおすすめ。無理に抜くと毛根を痛めて炎症を起こすこともあるので注意が必要です。

結局のところ、「長寿眉」とは毛が少しだけマイペースになった結果。
せわしない現代社会にあって、眉毛くらいはのんびり自分らしく伸びている――それも悪くないかもしれません。
今日も鏡を見ながら、ちょっとだけ微笑んでしまいました。