- 2026年3月15日
健康診断前だけ禁酒すると肝機能は下がる?肝機能(AST・ALT・γGTP)への影響を医師が解説
4月は健康診断のシーズンです。
会社の健康診断や自治体の特定健診を控えている方も多いのではないでしょうか。
(▶️宝塚市でも4月から各種健診が開始されます)

この時期になると、
「今週はお酒を控えているんです」
という方が増えてきます。
理由はもちろん
健康診断が近いからです。
そんな短期間で意味あるの?と思われるでしょうが実はこれ、
肝機能の数値には意外と効果があることがあるんです。
◆アルコールが原因なら1〜2週間の禁酒で改善することも
アルコールが原因の肝機能異常の場合、
- AST
- ALT
- γGTP
などの数値は、1〜2週間の禁酒で改善することも珍しくありません。
そのため健康診断で
「要再検査ですね」
と言われずに済むケースもあります。
◆実は医療現場でもよく見る「禁酒による肝機能改善」
実はこの現象、医療現場でもよく見られます。
例えば入院すると、当然ですがお酒は飲めません。
すると、それまで飲酒習慣があった方では
入院中に肝機能の数値が改善してくる
ということがよくあります。
つまりそれだけ
アルコールは肝臓の数値に影響しやすいということです。
◆ただし健診前だけ禁酒するのは良いこと?
ここで少し大事な話があります。
健康診断は
体の「いつもの状態」を知るための検査
です。
普段は毎日お酒を飲んでいて肝臓に負担がかかっているのに
健診前だけ禁酒して数値が正常
これでは本当の体の状態が分からなくなってしまいます。
少し例えが悪いですが、
これはドーピングの逆のような
「逆ドーピング」とも言えるかもしれません。

◆大切なのは健診前の1週間より普段の生活
本来の健康診断の目的は
普段の体の状態を知ること
そして
異常があれば生活を見直すことです。
健診前だけ頑張るよりも
普段から少しだけ体をいたわる生活
これが一番大切です。
◆脂肪肝は短期間では改善しにくい
ちなみにアルコールとは関係ない
脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患)
の場合は、短期間での数値改善は難しいことが多いです。

私自身も以前、体重増加による脂肪肝を経験しましたが💦(詳しくは▶️(肝臓専門医である)私の脂肪肝治療日記)
改善には
- 食事の見直し
- 運動習慣
といった地道な生活改善が必要でした。
◆肝臓は「沈黙の臓器」
肝臓は
「沈黙の臓器」
と呼ばれ、かなり悪くなるまで症状が出ないことが多い臓器です。
だからこそ健康診断の数値は
体からの大切なサインとも言えます。
健診前だけ数値を整えるのではなく、
普段から肝臓にやさしい生活
を意識することが、長い目で見ると体を守ることにつながります。
