• 2025年2月27日
  • 2025年3月11日

カレーは認知症の予防になるの?認知バイアスに気をつけよう

本屋で見つけた「カレーと認知症」

ネットショッピング全盛の時代とはいえ、やっぱり本屋は実店舗が一番です。実際に本を手に取ってページをめくる感覚は、格別なひとときですよね。

先日、医師会の仕事を終えた帰りに、いつものようにふらりと本屋に立ち寄りました。すると、雑誌『プレジデント』が「老後の生活・健康」特集を組んでいるのを発見。手に取ってパラパラとめくっていると、目に飛び込んできたのは「脳がボケない11の習慣」という記事。執筆者は、聖路加国際大学臨床教授であり、名城大学特任教授の遠藤英俊先生。その中に、なんと「認知症予防にカレーを食べている」という話が紹介されていたのです。

カレーと認知症の関係

私はカレー、特に欧風カレーが大好きです。梅田に行けば「インデアンカレー」、東京なら「ボンディ」が私の食事の第一選択肢。スパイスの香りが広がり、コク深いルーとご飯の絶妙なハーモニー——もう、至福です。カレーと認知症の知識はありましたが、専門医が週何回もカレーを食べているとは・・この記事は私の心にズドンと突き刺さったのです。 

すぐに「カレー、認知症」で検索すると、カレーのスパイス、特にターメリックに含まれるクルクミンが、アルツハイマー病の原因とされるアミロイドβの蓄積を減少させる可能性がある、という記事が大量に出てきます。「やっぱりカレーは正義!」と、意気揚々と他のブースに向かうと、ふと目の前に以前読んだ「行動心理学」の本が。

これは確証バイアスでは?

「確証バイアス」——それは、自分に都合のいい情報ばかりを集めて「やっぱりね!」と納得してしまう心理的なクセのことです。

この流れを考えてみると…

  1. 「カレーが認知症に良い」という記事を読む
  2. ネットで『カレー 認知症』と検索
  3. 「ほら! やっぱりカレー最高じゃん!」と結論づける

まさに確証バイアスそのもの。

では、逆の視点で調べたらどうなるでしょう?

「カレー 悪影響」で検索してみると、以下のような情報も見つかりました。

カレーのデメリット

🍛 高カロリー(約800kcal)
🍛 栄養バランスが偏る
🍛 食塩が多い(3~4g)
🍛 歯が黄色くなる
🍛 炭水化物が多く血糖値が上がりやすい

このように、良い情報だけでなく、悪い情報もたくさんあります。

バランスの取れた情報収集を

世の中にはすべてに「光と影」があります。良い面だけを見て安心していても、本当の姿は見えてこない。特に情報社会では、個人の嗜好が検索結果に反映されることで、データが偏ってしまうこともあります。

今回はカレーを愛するあまり、確証バイアスにどっぷりハマってしまいました。しかし、この気づきがあったおかげで、より冷静に物事を見られるようになった気がします。

みなさんも、情報の偏りにはお気をつけて。カレーのようにスパイスの効いた視点で、バランスよく考えましょう!

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