• 2025年9月7日

医師も驚いた“革新的な胃カメラ” 経鼻内視鏡で変わった体験談

私は内視鏡専門医として毎日胃カメラや大腸カメラを扱っていますが、実は「胃カメラは苦手だなあ…」と感じてきた一人です。
最初に受けたのは研修医のとき。仲間同士で口からの胃カメラを練習しましたが――結果は散々でした。
のどにカメラが触れるたびに「オエッ!」と強い吐き気。
涙目になりながら「もう二度と受けたくない!」と本気で思ったほどです。

ただ、このとき偶然にも ピロリ菌感染が見つかり、早期に対処できたことは本当に幸いでした。当院ブログ:専門医の除菌の体験

当時のカメラは経口用(口から入れるタイプ)のみで、直径はだいたい10mm。今の大腸カメラが12mmくらいなので「ちょっと細い」程度です。とても“楽”とは言えませんでした。
その後も、勤務した病院で「この先生は胃カメラの名人だ」と言われる先生方に検査をしていただきましたが、結果は同じ。

私は歯医者さんで歯型を取るだけでも吐き気が止まらない体質なので、麻酔のゼリーを含んだ時点ですでにえづいてしまいます・・・ そんな私にとって、カメラがのどを通る瞬間は、もはや試練以外の何ものでもありませんでした。

◆運命を変えた“鼻からのカメラ”

そんな私の胃カメラ人生を変えたのが、 経鼻内視鏡 との出会いです。
初めて鼻からカメラを通したとき、衝撃を受けました。

まず、あの独特のマウスピースを噛む必要がない。
さらに、カメラの力が鼻で分散されるため、のどへの刺激がほとんどない。
その結果――あの「オエッ」となる吐き気が大幅に減り、検査中でも医師や看護師と会話できるくらい落ち着いて受けられたのです。
最初に終わったときの感想はただ一言。

「え、こんなに楽でいいの!?」

あのときの驚きと解放感は、今でも忘れられません。

◆患者さんにもおすすめできる理由

この経験以来、私は自信をもって患者さんに経鼻内視鏡をおすすめするようになりました。
実際に「経口は地獄のように苦しかったけど、鼻からだと全然大丈夫でした」と言ってくださる方も多いです。
もちろん、鼻の通りが悪い方や、鼻の構造によっては難しい場合もあります。そのような場合は鎮静剤を使ってうとうとしていただきながら行う方法もありますので、安心してください。

💡 まとめ

医師である私自身が「もう二度と受けたくない」と思った胃カメラ。
でも、経鼻内視鏡との出会いで「これなら楽に受けられる!」と心から感じられました。

胃の病気は症状が出る前に見つけることが何より大切です。

「胃カメラがつらくてイヤだ」と思っている方にこそ、ぜひ一度経鼻内視鏡を試していただきたいと思います。

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