- 2025年7月17日
ピロリ菌除菌後も胃がんに注意|宝塚市で年1回の胃カメラ検査をおすすめする理由
こんにちは。
今日は、「ピロリ菌の除菌後も、胃カメラは必要なのか?」という疑問について、宝塚市の消化器内視鏡専門クリニックとしてお答えしたいと思います。
「もう除菌したし、胃がんの心配はないですよね?」

そう思われる方も多いのですが――実は、除菌しても胃がんのリスクがゼロになるわけではありません。
幼少期に感染し、長年の炎症が蓄積している
ピロリ菌の感染は、たいてい小学校入学前の幼少期に起こります。
その後、何十年も胃の中に住みついて炎症を引き起こし、胃の粘膜にダメージを与えていきます。
この長年の炎症によって、胃の粘膜が薄くなったり、細胞が変化したりする「萎縮性胃炎」「腸上皮化生」と呼ばれる状態が起こります。
ピロリ菌を除菌することでこれ以上の進行は防げますが、一度傷んだ粘膜は完全には元に戻らないのです。
そのため、除菌後もピロリ菌にかかったことのない人より胃がんリスクが高い状態は続きます。

除菌しても、胃がんのリスクは残る
研究では、除菌後の胃がん発生率は年0.35〜1.2%程度とされています。
また、過去に早期胃がんを内視鏡で切除された方では、除菌後でも年3〜5%の確率で新たに胃がんができると報告されています。
これは“再発”ではなく、“新しくできる胃がん”です。
そのため、除菌後も慎重な経過観察が必要になります。
除菌後の胃がんは、見つけにくい?
実は、ピロリ菌を除菌した後に発生する胃がんは、早期発見が難しい場合があるといわれています。
理由のひとつは、胃がんの表面を正常な細胞が覆い隠すような形になるケースがあり、内視鏡で見ても分かりにくく、生検(組織検査)でも診断が難しい場合があるためです。
このような背景から、私は除菌前の胃内視鏡観察を特に重視していますし、除菌後も変化に細心の注意を払って診察しています。
胃がん予防のために|2つの大切なこと
1️⃣ 除菌成功の確認を!
ピロリ菌の1次除菌の成功率は約90%です。逆に言えば、10人に1人は失敗している可能性があるということ。
呼気テストや便検査などで、必ず除菌判定を受けましょう。

2️⃣ 除菌後も、年1回の胃カメラを!
除菌でリスクは減っても、ゼロにはなりません。
早期発見・早期治療のためには、年に1度の胃内視鏡検査をおすすめします。
宝塚市でピロリ菌除菌後の定期検査をご希望の方は、お気軽にご相談ください。
胃がんを未然に防ぐために、「除菌した後こそ」定期的な胃カメラが大切です。