• 2025年11月3日
  • 2025年11月2日

「中学生は全員ピロリ菌検査を」ホリエモン提言は正しい?医師が語る“胃がん予防の最前線”

「中学生は全員ピロリ菌検査をしろ!」ホリエモンの発言が話題に

最近、実業家の堀江貴文さん(ホリエモン)が「中学生は全員ピロリ菌検査をしろ!」という刺激的な発言をして話題になっています。

ちょっと過激に聞こえますが、実はこの提言――医学的にもかなり“本質をついている”んです。

日本では今も年間3万8000人が胃がんで亡くなっている

日本では今でも年間およそ3万8000人もの方が胃がんで亡くなっています。
一方、欧米では胃がんはずっと少ない病気。
(人口が約2倍のアメリカでも、日本の1/3以下の死亡数です。)

この差の大きな理由が、じつはピロリ菌なのです。

ピロリ菌とは?放置すると胃がんの“土壌”に

ピロリ菌は、胃の中にすみつく細菌です。
感染したまま長く放っておくと胃の粘膜が炎症を起こし、やがて「萎縮性胃炎」になり――ここから胃がんができやすくなることがわかっています。

私もピロリ菌に感染していました!

実は私も、研修医のころに胃がキリキリ痛くなって胃カメラを受けたところ、まさかのピロリ菌がいました(笑)。(詳しくは「ピロリ菌除菌で胃の不調が劇的改善!専門医が自身の体験談を解説」)
すぐに除菌治療をしたのですが、なぜか1回目は失敗…。
でも2回目で無事に“ピロリ卒業”できました。
ピロリ菌のしぶとさ、身をもって体験しました!

ピロリ菌の除菌は1週間の内服で90%以上が成功

ピロリ菌を早めに見つけて除菌しておけば、胃がんのリスクをぐっと減らすことができます。
治療といっても、1週間ほど胃酸を抑える薬と抗生物質を飲むだけ。
成功率は90%以上で、副作用も少なく、1回でうまくいかなくても2回目の治療でほとんどの方が除菌できます。

感染は小児期に起こることが多い

感染の多くは小学生になる前といわれています。
ですから、「中学生くらいで一度チェックしておく」というのはとても理にかなった考え方なんです。
早いうちに見つけておけば、胃のダメージが少ないうちにリスクを下げられます。

検査方法はとても簡単!家族みんなでチェックを

「うちの子も大丈夫かな?」と思った方――
検査方法はとても簡単です。

  • 血液検査
  • 呼気(息)検査
  • 便の検査

いずれも短時間でできる方法です。
もし陽性だった場合は、医師のもとで除菌治療を受けましょう(保険適用についてはご相談ください)。

そして、家族の中に陽性の方がいる場合は、兄弟や親御さんもぜひ一度チェックを。
家族内感染はかなり多いのです。
ということは、家族みんなで“胃がんの芽”を早めに摘んでおけるということですね。

「ピロリ菌のいない世代」を増やすことが日本の未来を変える

日本ではここ10年ほどで胃がんは確実に減ってきています。
でも、「ピロリ菌のいない世代」を増やしていくことができれば、今後さらに胃がんを減らせるはずです。

「中学生なんて早すぎる」ではなく、
「中学生だからこそ検査を」――そんな時代になってきています。

この機会に、ぜひご家族で
「ピロリ菌検査、やってみようか?」と話してみてくださいね。

はらの内科クリニック 0798-52-8811 ホームページ