- 2025年9月17日
- 2025年9月19日
読書の秋におすすめ|医師が描く医療小説の魅力と名作紹介
まだ日中は暑さが残りますが、朝晩はようやく涼しくなってきましたね。
秋といえば「スポーツの秋」「食欲の秋」などいろいろありますが、私にとってはやっぱり“読書の秋”。本屋さんに立ち寄ると、つい時間を忘れてしまいます。

本はジャンルを問わず好きですが、特に惹かれるのが医療小説です。なかでも現役の医師が描いた作品は、専門家ならではのリアリティがあって心をつかまれます。内科の話で「これはあるある!」と共感したり、普段あまり触れない診療科の話では「こんな世界があるのか」と驚いたり。読みながら、まるで自分が現場に立ち会っているような感覚になるのが魅力です。
最初に出会った医師の小説は渡辺淳一先生の『白夜』。炭鉱病院に派遣された研修医の物語です。高校生のときは、ただの小説として楽しんでいましたが、自分が研修医になってから再び読み直すと、その葛藤や戸惑いが身に迫るようにリアルで、胸に深く刻まれたのを覚えています。年齢や立場によって、本の感じ方が大きく変わるのも読書の面白さですね。

最近のお気に入りは、藤ノ木優さんの『明日の名医』、知念実希人さんの『祈りのカルテ』、中山祐次郎さんの『泣くな研修医』、そして夏川草介さんの『神様のカルテ』シリーズ。どれも研修医が悩み、迷いながらも成長していく姿を描いた作品です。読んでいると、あの頃の自分を重ねずにはいられません。
私自身の研修医時代は、作品に描かれるような爽やかな青春とは程遠く、むしろ“ブラック”と呼びたくなる日々でした(詳しくはピロリ菌除菌で胃の不調が劇的改善!専門医が自身の体験談を解説)・・・それでも、不思議なもので時間が経つと懐かしく、いい思い出に変わっていくのですね。だからこそ、こうした物語を読むと温かい気持ちになるのかもしれません。
秋の夜長、本の世界に浸るのは格別です。お腹の秋になりすぎないよう注意しながら(笑)、皆さんもお気に入りの一冊を見つけてみてはいかがでしょうか。
