• 2025年12月7日

冬に血圧が上がる3つの原因|血管収縮・ホルモン上昇・運動不足と塩分の影響を医師が解説

冬になると血圧が上がるのは普通のこと?

冬になって「最近ちょっと血圧が高い気がする…」という方、多いのではないでしょうか。医学的にも冬は血圧が上がりやすい季節で、実際に心筋梗塞や脳卒中が冬に増えることがわかっています。これは“季節性の血圧上昇”と呼ばれ、寒さによって体が受ける影響が関係しています。

では、冬に血圧が上がる主な理由は何でしょうか。ポイントは以下の3つです。

1. 血管収縮|寒さで血管がギュッと細くなる

寒い環境では体が体温を逃がさないように反応し、手足など末梢の血管がギュッと細くなります。血管が細くなると血液が流れにくくなり、その分血圧が上がりやすくなります。

特に外へ出た瞬間や朝の冷え込みが強い時間帯は、血圧が急に高くなることもあるため注意が必要です。

2. ホルモンの上昇|交感神経が活発になる

寒さは自律神経、特に交感神経を強く刺激します。その結果、アドレナリンなど血圧を上げるホルモンが増え、心拍数や血管の収縮が強まり、血圧が上がりやすくなります。

「寒いとドキッとする感覚」や「肩に力が入る感じ」は、この交感神経の反応によるものです。

3. 運動量の低下と塩分摂取の増加

冬はどうしても家で過ごす時間が増え、外に出る機会が減ることで運動量が低下しがちです。身体活動が減ると血流や血管の柔軟性が低下し、血圧が高めの状態になりやすくなります。

さらに冬は鍋物・汁物・麺類など“温かくて塩分のある料理”が増え、知らず知らず塩分摂取が増えることで血圧が上がりやすくなります。

冬の血圧を守るための3つの対策

冬の血圧対策はシンプルで、今日からすぐに始められます。

暖かくすること

特に首・お腹・足首を温めると体が冷えにくく、血圧の急上昇を防ぎやすくなります。

軽い運動を習慣に

家の中でもストレッチ、ラジオ体操、簡単な筋トレなどでOK。少し体を動かすだけで血圧の安定に役立ちます。

塩分を控えめに

鍋のスープを飲み干さない、味付けを薄めにする、減塩調味料を使うなど、日々の小さな工夫が大きな差につながります。

まとめ|冬こそ血圧ケアを意識して

冬は血圧が変動しやすく、心血管イベントが増える季節でもあります。しかし、ちょっとした生活の工夫で血圧は安定しやすくなります。無理のない範囲でできることから取り入れ、安心して冬を健康に過ごしましょう。

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