- 2026年4月12日
肝生検とは?昔は当たり前だった検査が減った理由|医師が語る医療の進歩
◆肝生検とはどんな検査?
「肝生検(かんせいけん)」という検査をご存知でしょうか。
あまり馴染みがないかもしれませんが、肝臓の病気の原因と現在の状態を詳しく調べるための重要な検査のひとつです。(▶️「お医者さんオンライン」より)
具体的には、肝臓にボールペンの芯ほどの細い針を刺し、肝臓の組織を数センチ採取します。
その組織を顕微鏡で調べることで、
- 肝臓の硬さ(線維化の進行)
- 肝障害の原因
などを正確に評価することができます。

◆昔は「ほぼ毎日」行われていた検査でした
実はこの肝生検、私自信があります!
というのも、私が医師になった頃は、C型肝炎の「インターフェロン治療」が主流の時代でした。
かつてこの治療は完治が望める唯一の治療である一方で、副作用が強いという弱点がありました。
そのため、治療前に「どの程度肝臓が傷んでいるか」「他の病気を合併していないか」などを正確に評価する必要があったのです。
結果として、肝生検は極めて重要な検査であり、私の勤務していた肝臓専門施設ではほぼ毎日のように行われていました。
私も当時は下っ端として必ず検査に参加しており、気づけば「経験数だけは誰にも負けない」と言えるほどに。
これだけ数をこなすと、針を刺した瞬間に
「この患者さんの肝臓、少し硬いな…」
と感触で分かるようになっていました。
◆現在はなぜ減ったのか?
では現在はどうでしょうか。
医療は日々進化していいます。
まず、C型肝炎の治療は大きく変わりました。
現在は年齢、肝臓の状態に関わらず治療ができる、副作用の極めて少ない飲み薬で治療でき、かつほとんどの患者さんに完治が期待できる時代になっています。
さらに、「超音波エラストグラフィー検査」という技術の登場により、体の外から肝臓の硬さをかなり正確に評価できるようになりました。(▶️当院での超音波検査のご予約はこちら)
その結果、肝生検を行う機会は以前に比べて大きく減っています。
◆それでも肝生検が必要な理由
とはいえ、肝生検が完全に不要になったわけではありません。
例えば、
- 原因がはっきりしない肝障害
- より正確な診断が必要なケース
では、今でも欠かせない検査です。
また、肝臓に安全に針を刺す技術は、
胆嚢や胆管の治療にも応用されており、現在の医療でも重要な役割を担っています。
◆医療の進歩と、少しだけ個人的な話
こうして振り返ると、医療の進歩には本当に驚かされます。
かつて当たり前だった検査が、時代とともに減っていく。
それだけ医療が進化している証拠でもあります。
そしてそれ以上に、驚くのは――
つい若い先生に「昔はな…」と話しそうになる自分です💦

医療の進歩とともに、自分自身もも少しずつ変わっていることを実感する今日この頃です。
