• 2026年5月31日

暖かくなると血圧が下がるのはなぜ?|夏に多い血圧変化と降圧薬の注意点

最近、患者さんから
「暖かくなって血圧が下がってきました」
というお話をよくお聞きします。

実はこれ、とても自然な変化です。

冬と夏では、私たちの体の血管の状態が大きく変わります。

そのため、高血圧の方では季節によって血圧が変動することが珍しくありません。

今回は、
「なぜ夏に血圧が下がるのか」
「降圧薬は減らした方がいいのか」
について、わかりやすくお話しします。

冬は血圧が上がりやすい

寒い季節になると、体は熱を逃がさないように働きます。
その結果、血管がギュッと縮みます。

血管が細くなると血液は流れにくくなるため、血圧は自然と高くなります。

冬に血圧が上がりやすいのは、このためです。

特に朝方は気温が低いため、冬場は「朝だけ血圧が高い」という方も少なくありません。

暖かくなると血圧は下がりやすくなる

一方、春から夏にかけて気温が上がると、血管はゆるみます。
すると血液が流れやすくなり、血圧は自然と下がります。

また、夏は汗をかきやすい季節です。
汗をかくと体の水分が減り、軽い脱水状態になります。
その結果、血液量が減り、血圧が下がることもあります。

つまり夏は、
・血管が広がる
・汗で水分が減る
という二つの理由で、血圧が下がりやすい季節なのです。(▶️参考記事 日経新聞)

◆夏は降圧薬が効きすぎることも

そのため、冬にちょうどよかった降圧薬が、夏には少し効きすぎることがあります。

特に、
・立ちくらみ
・ふらつき
・だるさ
などがある場合は注意が必要です。

高齢の方では、ふらつきによる転倒につながることもあります。

「血圧が低いから薬をやめる」は危険です

ただし、
「最近血圧が低いから薬をやめよう」
という自己判断はおすすめできません。

血圧は、ストレスや睡眠不足、気温、測るタイミングなどでも大きく変動します。

家では低くても、別の場面では急に上がることもしばしばあります。

また、降圧薬は単に“今日の血圧”を下げるだけではありません。

長い時間をかけて血管を守り、
・脳卒中
・心不全
・腎障害
などを予防する役割があります。

血圧が低いと危険なの?

「血圧が下がると危険では?」
と心配される方もおられます。

もちろん、極端な低血圧は問題になることがあります。

ただ、腎臓や脳への血流低下が問題になるのは、一般的には収縮期血圧80mmHg以下が続き、症状がある場合などです。

少し低めだからといって、すぐ危険というわけではありません。

家庭血圧を上手に利用しましょう

高血圧の管理で大切なのは、「病院で一回測った血圧」だけではありません。

現在は、家庭で測る血圧がとても重視されています。

特におすすめなのは朝の血圧です。

起床後1時間以内、
トイレを済ませて、
朝食・内服前に測定するのが理想的です。(▶️血圧の正しい測り方と家庭で測るときの注意点 シチズン・システムズ株式会社

毎日完全に同じ数値になる必要はありません。

大切なのは、“日々の流れ”を見ることです。

季節によって変化する血圧。

うまく付き合いながら、無理なく治療を続けていきたいですね。

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