- 2026年5月25日
睡眠薬で長く眠れば認知症予防になる?|高齢者の睡眠と睡眠薬の注意点を解説
◆睡眠薬で長く眠れば、認知症予防になるのでしょうか?
前回は、「長時間睡眠と認知症」の関係についてお話しました。
一方で、
「睡眠時間が短いと認知症リスクが高い」という話を耳にしたことがある方も多いと思います。
そうすると、
「睡眠薬で長く眠れば、認知症予防になるのでは?」
と考えたくなりますよね。

しかし、答えは単純ではありません。
現在のところ、
睡眠薬で睡眠時間を延ばすことで認知症を予防できる、ということははっきりわかっていません。
もちろん、睡眠薬には“不眠のつらさを和らげる”大切な役割があります。
眠れない状態が続くと、
- 日中の眠気
- 集中力低下
- 気分の落ち込み
- 転倒リスクの増加
など、生活にさまざまな影響が出てしまいます。(▶️厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)
そのため、不眠症の治療として睡眠薬を使用すること自体は、決して悪いことではありません。
ただし、高齢者では薬の種類に注意が必要です。
◆高齢者で注意が必要な「ベンゾジアゼピン系」
昔から広く使われてきた睡眠薬に、
「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる薬があります。
これらは眠りを助ける効果がある一方で、
- ふらつき
- 転倒
- 物忘れ
- せん妄
- 依存
などとの関連が指摘されています。
特に高齢者では、転倒による骨折が寝たきりにつながることもあるため、慎重な使用が勧められています。
◆最近増えている新しいタイプの睡眠薬
最近は、
- メラトニン受容体作動薬
- オレキシン受容体拮抗薬
など、従来とは異なる仕組みの睡眠薬も使われるようになっています。

これらは比較的、ふらつきや依存などに配慮しやすいとされ、高齢者で選択されることも増えてきました。
ただし、どんな薬でも、
「長く眠れば安心」
というわけではありません。
◆本当に大切なのは「睡眠の質」
睡眠で大切なのは、
単純な“睡眠時間”だけではなく、“睡眠の質”です。
そのためには、
- 朝日を浴びる
- 日中に体を動かす
- 昼寝を長くしすぎない
- 毎日の生活リズムを整える
といった習慣がとても重要です。(▶️厚生労働省 健康日本21アクション支援システム)

薬は不眠の症状を和らげる助けになりますが、
それだけに頼るのではなく、睡眠習慣そのものを整えることも重要です。
やはり、
「日中の過ごし方」を工夫し、自然な睡眠につなげていくことが基本なのかもしれません。
