- 2026年9月16日
中村ゆりさんを襲った直腸がん|大腸がんは症状がない?血便・便秘に注意、40歳から検査を
先日、俳優の中村ゆりさんが、直腸がんのため44歳で亡くなられていたことが報じられました。
中村さんは、映画やドラマなど数多くの作品で活躍されていた俳優さんです。

報道によると、中村さんは13年前にもがんを患われていたようですが、その後は寛解し、仕事を続けながら経過観察をされていたとのことです。
その後、2025年1月に再びがんが見つかり、手術を受けたものの、術後に転移が見つかったと報じられています。
さらに治療を続けていましたが、2026年8月には腸閉塞を起こして出演予定だったドラマを降板。その後、9月1日に亡くなられたことが発表されました。(▶️FNNプライムオンライン)
今回の報道をきっかけに、私が皆さんにお伝えしたいのは、
「大腸がんは、なかなか症状に気づきにくい病気」
ということです。
◆大腸がんは早期にはほとんど症状がありません
大腸がんは、早期の段階では自覚症状がほとんどありません。
これは大腸がんの大きな特徴の一つです。(▶️国立がん研究センター がん情報サービス)
つまり、
「お腹が痛くない」
「便通もいつも通り」
「血便もない」
だから大腸がんはない。
とは言えないのです。
むしろ、症状がない段階で見つけることが大切です。
大腸がんは40歳代から罹患する人が増えていきます。国の大腸がん検診も40歳以上を対象としており、年1回の便潜血検査が推奨されています。(▶️国立がん研究センター がん情報サービス)
◆進行しても「症状が少ない」ことがあります
「がんが大きくなれば、さすがに症状が出るでしょう」
そう思われるかもしれません。
確かに、がんが進行すると症状が現れやすくなります。
代表的なのが、
- 血便・下血
- 便秘や下痢
- 便が細くなる
- 残便感
- お腹が張る
- 腹痛
- 貧血
などです。(▶️国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト)
しかし、これらの症状が必ず早い段階から現れるわけではありません。
特に直腸がんでは、血便があっても「痔かな?」と思ってしまったり、便通の変化を「最近、便秘気味だから」と考えてしまうことがあります。
今回の記事でも、直腸がんでは血便や便秘、残便感などが症状として挙げられています。また、初期には自覚症状がほとんどなく、症状が出てからでは進行していることもあると専門医が解説しています。(▶️FNNプライムオンライン)
◆「血便=痔」とは限りません
大腸の病気を診療していると、
「血が出たけど、痔があるので……」
という方に出会うことがあります。

もちろん、血便の原因が痔であることは珍しくありません。
しかし、大腸がんでも血便はよくみられる症状です。
国立がん研究センターの資料でも、大腸がんでみられる症状の中でも、便に血が混じる、便の表面に血液が付着するといった症状は頻度が高いとされています。(▶️国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト)
そのため、
「自分は痔があるから、この血は痔だろう」
と自己判断するのはおすすめできません。
血便が続く場合や、いつもと違う出血がある場合には、一度医療機関で相談してください。
◆便秘が進んできたら注意
もう一つ注意したいのが、これまでとは違う便通の変化です。

例えば、
「以前は毎日出ていたのに、最近は何日も出ない」
「便秘がだんだんひどくなってきた」
「便が以前より細くなった」
「便を出しても、まだ残っている感じがする」
といった変化です。
もちろん、こうした症状があるからといって大腸がんとは限りません。
食事や運動不足、薬剤など、便秘にはさまざまな原因があります。
しかし、大腸がんによって腸の中が狭くなることで、便が通りにくくなり、便秘や便が細くなるといった症状が出ることもあります。(▶️国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト)
「年齢のせいかな」と放置せず、症状が続いたり、徐々に悪化している場合には、一度診察を受けることが大切です。
◆症状が出たら「次の検診まで待つ」はやめましょう
ここは、とても大切なところです。
大腸がん検診は、症状のない人が対象です。
40歳以上では、年1回の便潜血検査が推奨されています。(▶️国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方向けサイト)
一方、
- 血便がある
- 便秘や下痢が続く
- 便の形が変わった
- 排便回数が変わった
- 腹痛が続く
- 貧血を指摘された
などの症状がある場合には、
「次の健診まで待とう」ではなく、すぐに医療機関を受診してください。
◆40歳になったら、一度は大腸内視鏡検査を
「大腸カメラはちょっと怖い……」
そう思われる方も多いと思います。
私も大腸内視鏡を専門にしていますので、その気持ちはよく分かります。
ただ、大腸がんは症状が出てから見つけるのではなく、症状がないうちに見つけることが大切な病気です。
そこで私がおすすめしたいのが、40歳になったら、一度は大腸内視鏡検査を受けてみることです。
もちろん、日本の大腸がん検診では、40歳以上の方に年1回の便潜血検査が推奨されています。
便潜血検査は、大腸がんの早期発見に役立つ、簡便な検査です。
しかし、便潜血検査はあくまで「便に血液が混じっているか」を調べる検査です。
一方、大腸内視鏡検査では、大腸の中を直接観察して、がんだけでなく、将来がんになる可能性のある大腸ポリープを見つけることができます。
そして、必要に応じてその場でポリープを切除できることも、大腸内視鏡検査の大きな特徴です。
特に、
「これまで一度も大腸内視鏡を受けたことがない」
という方は、40歳を一つの節目として、一度検査を受けることを検討してみてはいかがでしょうか。
そして、血便や便通の変化など、気になる症状がある場合は、便潜血検査の結果を待つのではなく、年齢にかかわらず早めに医療機関を受診してください。
なお、便潜血検査が陽性になった場合は、
「もう一度便潜血検査をしてみよう」
ではなく、大腸内視鏡検査などの精密検査を受けることが重要です。
便潜血検査が一度陰性だったとしても、出血が常に起こるとは限らないためです。
40歳になったら、まず一度、大腸の中を直接見てみる。
そして、その後は年齢やこれまでの検査結果、ポリープの有無などを踏まえて、次の検査時期を医師と相談する。
これが、大腸がんを早期に見つけるための一つの方法です。
◆「症状がないから大丈夫」ではなく
今回、中村ゆりさんのニュースを見て、大腸がんについて改めて考えた方も多いのではないでしょうか。
44歳という若さで亡くなられたことには、私自身も大きな衝撃を受けました。
ただ、中村さんの詳しい病状や、なぜそのような経過になったのかについては、私たちが外から判断できることではありません。
今回の報道から私たちが考えたいのは、年齢にかかわらず、
「大腸がんは、症状がないうちに見つけることが大切」
ということです。
大腸がんは、早期には症状がほとんどありません。
そして、ある程度進行していても、症状が目立たないことがあります。
だからこそ、
40歳になったら、大腸内視鏡検査を。
(▶️大腸カメラの予約はこちら)
(▶️大腸カメラ前日の食事は何を食べる?避けるべき食品と具体例を専門医が解説)
そして、血便や便秘など、いつもと違う変化があれば、年齢にかかわらず早めに医療機関を受診してください。
「何も症状がないから大丈夫」
ではなく、
「何も症状がない今だからこそ、検査する」
これが大腸がんの早期発見につながります。
(▶️大腸カメラ前日の食事は何を食べる?避けるべき食品と具体例を専門医が解説)
