- 2026年7月11日
γ-GTPだけ高い原因とは?お酒だけではない理由と受診の目安を医師が解説
◆お酒だけではない?健康診断で異常を指摘されたら知っておきたいこと
健康診断の採血で、
「γ-GTPだけ高いですね」
と言われたことはありませんか?
ASTやALTはほぼ正常なのに、γ-GTPだけが高いと、
「お酒の飲みすぎかな?」
「しばらく禁酒すれば大丈夫?」
と思われる方は少なくありません。

確かに飲酒はγ-GTPが高くなる代表的な原因ですが、それだけとは限りません。
肝臓そのものではなく胆道の病気が隠れていることもあるため、自己判断せず原因を確認することが大切です。
今回は、γ-GTPだけが高くなる原因や受診の目安について解説します。
◆γ-GTPとは?
γ-GTP(γ-グルタミルトランスフェラーゼ)は、肝臓や胆道に多く存在する酵素です。
▶️昭和メディカルサイエンス社より
健康診断ではASTやALTと並んで「肝機能」の項目として測定されます。
(肝臓の数値が悪い場合は下記の記事も参考にして下さい。)
▶️健康診断でALTが高いと言われたら
▶️ASTとALTの違いとは?
ASTやALTは肝細胞が傷つくと高くなりやすいのに対し、γ-GTPは胆道(肝臓で作られた胆汁が腸へ流れる通り道)に異常がある場合にも高くなりやすいという特徴があります。
そのため、γ-GTPだけが高い場合は、肝臓だけでなく胆道の状態も考える必要があります。
◆γ-GTPが高くなる原因
大きく分けると、原因は2つあります。
① 肝臓自体の病気
最も多いのは次のような原因です。
- 飲酒
- 脂肪肝
- 薬やサプリメントの影響
- 原発性胆汁性胆管炎などの稀な肝疾患
以前はアルコールが代表的な原因でしたが、最近では脂肪肝による上昇の患者さんが非常に増えています。
脂肪肝も放置すると無症状のまま肝硬変になっている方もいらっしゃいます。

特に、肥満や糖尿病、脂質異常症などの患者さんに合併していることが多いです。
② 胆道の病気
γ-GTPが高い場合に見逃したくないのが胆道の病気です。
代表的なものとして、
- 胆石
- 総胆管結石
- 胆管がん
- 膵がん
などがあります。

これらの病気では、胆汁の流れが悪くなることでγ-GTPが上昇します。
初期には自覚症状がないこともあり、健康診断の異常がきっかけで見つかることもあります。
◆最近増えている原因は脂肪肝
外来でも、「お酒はほとんど飲まないのにγ-GTPが高い」という相談が増えています。
その背景にあることが多いのが脂肪肝です。
食べ過ぎや運動不足、体重増加などによって肝臓に脂肪がたまると、γ-GTPが上昇することがあります。
「飲酒をしないから大丈夫」と思わず、生活習慣も見直してみましょう。
◆γ-GTPが高いときは画像検査も重要
γ-GTPが高い場合、血液検査だけでは原因を特定できないことがあります。
特に胆石や胆管の異常、脂肪肝の有無を確認するためには、腹部超音波検査(腹部エコー)が重要です。
腹部超音波検査は、体への負担が少なく、肝臓・胆のう・胆管・膵臓の状態を確認できる有用な検査です。
当院では超音波検査で「肝エラストグラフィー検査」(肝臓の硬さの測定)も可能です。
(▶️脂肪肝は放置して大丈夫?|肝エラストグラフィーでわかる肝硬変・肝がんリスク)
必要に応じてCTやMRIなどを追加で検査することもあります。
◆受診の目安
次のような場合は、一度医療機関で相談することをおすすめします。
- 異常値が続いている
- 数値が徐々に上がっている
- ASTやALTも高くなってきた
- 黄疸や腹痛などの症状がある
症状がなくても、原因を確認しておくことが大切です。
◆よくある質問(FAQ)
・お酒をやめればγ-GTPは下がりますか?
飲酒が原因であれば改善が期待できます。しかし、脂肪肝や胆道の病気が原因の場合は、禁酒だけでは改善しないこともあります。
・γ-GTPだけ高い場合でも受診した方がよいですか?
一時的な変動のこともありますが、異常が続く場合や数値が上昇している場合は、肝臓の病気だけでなく、胆嚢、胆管、膵臓の病気も考えられることから一度消化器内科に受診し、原因を調べることをおすすめします。
・腹部超音波検査では何がわかりますか?
脂肪肝、胆石、胆のうや胆管の異常などを調べることができます。γ-GTPが高い原因を探るうえで重要な検査です。
慢性肝炎の方に対しては「肝エラストグラフィー」で肝臓の硬さの確認も行います。

◆まとめ
γ-GTPが高い原因は、お酒だけではありません。
最近では脂肪肝による上昇が増えていますが、胆石や胆管の病気など、胆道の異常が隠れていることもあります。
健康診断で「γ-GTPだけ高い」と言われたら、「お酒のせいだろう」と自己判断せず、必要に応じて腹部超音波検査なども受けながら原因を確認することが大切です。
健診結果をきっかけに、肝臓や胆道の健康を見直してみましょう。
