- 2026年10月4日
ノーベル賞の誕生秘話|アルフレッド・ノーベルの意外な逸話
毎年10月になると、ニュースをにぎわせる「ノーベル賞」。
物理学、化学、生理学・医学、文学、平和などの分野で、大きな功績を残した人に贈られる世界的な賞です。
では、このノーベル賞がどのようにして生まれたのか、ご存知でしょうか?

◆ノーベル賞の誕生には、意外な逸話がある
ノーベル賞の名前の由来となったのが、スウェーデンの発明家アルフレッド・ノーベルです。
ノーベルといえば、「ダイナマイト」を発明した人物として有名です。
ダイナマイトなどの発明によって巨額の財を成したノーベルですが、1888年、ある出来事が起こります。
兄のルートヴィヒが亡くなった際、フランスの新聞がアルフレッド本人が亡くなったと誤って報道したのです。
しかも、その記事ではノーベルを「死の商人」とする厳しい表現が使われていました。
ノーベルは、思いがけず自分への世間の評価を知ることになります。
この出来事が、後のノーベル賞創設につながったという逸話があります。
◆ノーベルの遺言から始まったノーベル賞
ノーベルは1895年、自身の財産を基金として、人類に大きな貢献をした人々に賞を贈るよう遺言を残しました。
そして1901年、最初のノーベル賞が授与されます。
当初の部門は、
- 物理学
- 化学
- 生理学・医学
- 文学
- 平和
の5部門でした。
現在よく知られている「ノーベル経済学賞」は、実はノーベル自身の遺言によるものではありません。
1968年にスウェーデン国立銀行が創立300周年を記念して設け、翌1969年から授与が始まりました。
「ノーベル賞」と一括りに呼ばれていますが、実はこのような違いがあります。
◆今年注目の柳沢正史教授と「オレキシン」
そして今年、日本人研究者で特に注目されているのが、筑波大学の柳沢正史教授です。
柳沢教授は「オレキシン」という、睡眠と覚醒を調節する脳内の物質を発見しました。
オレキシンの発見は、睡眠と覚醒の仕組みを理解するうえで大きな進歩となり、ナルコレプシーなどの睡眠障害の研究にもつながっています。
さらに、この発見は新しい睡眠薬の開発にもつながりました。
オレキシンの働きを抑える「デュアルオレキシン受容体拮抗薬(DORA)」と呼ばれるタイプの睡眠薬です。
現在、日本でもスボレキサント、レンボレキサント、ダリドレキサントなどが使用されています。
従来のベンゾジアゼピン系などの睡眠薬とは異なり、「眠らせる」のではなく、覚醒を維持するオレキシンの働きを抑えることで睡眠を促すという、異なる仕組みを持っています。(▶️G&Gワークスホールディングス)
DORAは、従来の睡眠薬で問題となっていた依存や認知・精神運動機能への影響などが比較的少ないことが特徴の一つです。ただし、翌朝の眠気などの副作用がないわけではありません。
今年9月には、柳沢教授はこの業績により、医学研究の世界的な賞の一つである「ラスカー基礎医学研究賞」も受賞されました。(▶️Lasker Foundation)
◆今年のノーベル賞にも注目
ノーベル賞の発表は毎年10月上旬に行われます。
今年はどのような研究や功績が選ばれるのでしょうか。

普段何気なく耳にしている「ノーベル賞」ですが、その背景を調べてみると、意外な誕生秘話があり、さらに私たちの身近な医療につながっている研究もあります。
今年のノーベル賞発表を、楽しみに見守りたいと思います。
