• 2026年9月26日

健診の血糖値とHbA1cの違いとは?医師が解説

健診の結果が返ってくると、血液検査の項目がたくさん並んでいます。
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その中でも、糖尿病に関係する検査としてよく目にするのが、
「血糖」
「HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)」
という2つの項目です。

「どちらも血糖値を調べているんじゃないの?」

と思われる方もいるかもしれません。

実は、この2つは少し違った情報を教えてくれます。

◆血糖値は「今の血糖」を見る検査

血糖とは、血液中に含まれているブドウ糖のことです。

食事をすると、食べ物に含まれる糖質などが消化・吸収され、血液中のブドウ糖が増えます。

すると血糖値が上昇します。

その後、膵臓から分泌されるインスリンなどの働きによって、血液中のブドウ糖は細胞に取り込まれ、血糖値は低下していきます。

つまり血糖値は、食事や運動、インスリンの働きなどによって変化します。

1日の中でも、
食事をする → 血糖が上がる → 下がる
という変化を繰り返しているわけです。

そのため血糖値は、「採血したその時点での血糖の状態」を知るのに適した検査です。

ただし、採血したタイミングによって数値が変わる可能性があります。

◆HbA1cは「ここ最近の血糖状態」を見る

そこで登場するのが、HbA1cです。

HbA1cは、血液中のヘモグロビンにブドウ糖が結びついたものです。

血糖値が高い状態が続くほど、ヘモグロビンに糖が結びついたHbA1cも増えていきます。

そのためHbA1cを調べることで、過去1〜2か月程度の血糖状態を反映した指標として利用できます。

血糖値が「今日の点数」だとすると、
HbA1cは「ここ最近の平均的な成績」

と考えると分かりやすいでしょう。

もちろん、実際にはHbA1cは単純な血糖値の平均そのものではありません。

それでも、採血した瞬間の血糖値だけでは分かりにくい「普段の血糖状態」を知るために、とても重要な検査です。

◆血糖が正常なら安心?

ここで注意したいのが、血糖値だけを見て「正常だから大丈夫」と判断しないことです。

例えば、採血した日の血糖値が正常範囲だったとしても、普段から血糖値が高めになっている場合があります。

そのような場合には、HbA1cを見ることで、普段の血糖状態について別の情報を得ることができます。

そのため健診結果を見るときには、
「血糖はいくつだった?」

だけではなく、

「HbA1cはいくつだった?」
も確認してみてください。

◆HbA1cの基準値は?

HbA1cについては、健診や医療機関によって基準の示し方が異なる場合があります。

健診では、HbA1c 5.5%以下を正常とすることがあります。

一方、HbA1c 6.5%以上は、糖尿病の診断基準の一つです。
(詳しくは ⁠「糖尿病診断ガイドライン2024」をご覧ください。)

ただし、HbA1cが6.5%以上だったからといって、その数字だけで糖尿病と診断するわけではありません。

血糖値などの検査結果や、必要に応じて再検査などを組み合わせて診断します。

また、HbA1cが基準値を超えていた場合も、「糖尿病になった」とすぐに決めつけるのではなく、まずは医療機関で結果について相談することが大切です。

◆「今日の点数」と「最近の成績」の両方をチェック

健診の血糖検査は、

・血糖=今の血糖状態
・HbA1c=ここ最近の血糖状態

という違いがあります。

学校のテストに例えるなら、

血糖は「今日のテストの点数」。
HbA1cは「最近の成績表」。

というイメージです。

今日の点数が良くても、普段の成績まで確認してみないと、本当の実力は分かりませんよね。

健診結果が返ってきたら、血糖だけでなく、ぜひHbA1cもチェックしてみてください。

「HbA1cって何の数字?」
と思っていた方も、これで少し身近な検査になったのではないでしょうか。

◆Q&A

Q1.HbA1cが6.5%以上なら、糖尿病ですか?

A.HbA1c 6.5%以上は糖尿病の診断基準の一つですが、HbA1cの数値だけで診断するわけではありません。

血糖値などの検査結果や症状、再検査などを組み合わせて診断します。

健診で6.5%以上だった場合は、そのままにせず医療機関で相談しましょう。

Q2.血糖値が正常なら、HbA1cは測らなくてもいいですか?

A.血糖値とHbA1cは、それぞれ異なる情報を教えてくれます。

血糖値は採血した時点の血糖状態を反映する一方、HbA1cは過去1〜2か月程度の血糖状態を反映します。

そのため、両方を確認することで、血糖についてより多くの情報が得られます。

Q3.HbA1cは食事を抜いて検査したほうがいいですか?

A.HbA1cは直前の食事による影響を受けにくい検査です。

そのため、HbA1cそのものを測定するだけなら、食事を抜く必要はありません。

ただし、同時に血糖値や脂質など、食事の影響を受ける検査を行う場合は、健診や医療機関から指示された条件で受けることが大切です。

Q4.HbA1cが少し高かったら、すぐ薬が必要ですか?

A.HbA1cが高かったからといって、必ずしもすぐに薬が必要になるわけではありません。

血糖値やHbA1cの程度、体重、生活習慣、合併症の有無などを総合的に判断して治療方針を決めます。

まずは健診結果を持って医療機関で相談しましょう。

Q5.HbA1cが高いのに、症状がありません。大丈夫ですか?

A.糖尿病は、初期には自覚症状がないことも少なくありません。

「症状がないから大丈夫」とは限らないため、健診でHbA1cや血糖値の異常を指摘された場合は、放置せずに確認することが大切です。

健診結果は、数字がたくさん並んでいると少し難しく感じます。

まずは、

血糖=今の状態
HbA1c=ここ最近の状態

と覚えておくと分かりやすいと思います。

健診結果を「ただの数字」で終わらせず、自分の体の状態を知るきっかけにしてみてください。

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