- 2026年6月14日
家庭血圧はいつ測る?毎日数字が違っても大丈夫|正しい血圧測定のポイントを解説
前回のブログでは、「白衣高血圧」についてお話ししました。(▶️病院では高いのに家では正常?白衣高血圧とは|家庭血圧が重要な理由を解説)

病院では血圧が高いのに、家では正常という状態です。このような方では、診察室での1回の測定だけではなく、家庭での血圧測定がとても重要になります。
すると、患者さんからこんな質問を受けることがあります。
「家ではいつ測ればいいんですか?」
「毎日測っているのに、数字がバラバラなんですが大丈夫でしょうか?」
実は、この2つの疑問はとても大切です。
今回は、家庭血圧の正しい測り方と、数字との上手な付き合い方についてお話しします。
◆家庭血圧はいつ測ればいいの?
現在の高血圧治療ガイドラインでは、朝と夜の1日2回の測定が推奨されています。(▶️日本高血圧学会より)
【朝の測定】
・起床後1時間以内
・トイレを済ませた後
・朝食や薬を飲む前
・1〜2分座って安静にしてから測定
【夜の測定】
・寝る前
・入浴や飲酒の直後は避ける
・1〜2分座って安静にしてから測定
「朝は忙しくて大変……」という方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん、毎日完璧にできなくても大丈夫です。
大切なのは、できるだけ同じ条件で測ることです。
毎日同じタイミングで測ることで、自分の血圧の傾向が見えてきます。
◆毎日数字が違うのは異常?
ところで、しっかり測っている方ほど、こんな悩みをよく口にされます。
「昨日は120だったのに、今日は135でした。」
「朝は高いのに、夜は低いんです。」
「測り直したら10くらい違いました。」

実は、血圧は“変わるのが普通”なのです。
私たちの体は、その時々の状況に合わせて血圧を調整しています。
例えば朝は、目覚めとともに交感神経が活発になります。
「さあ、今日も活動を始めよう」と体が準備をするため、血圧は上がりやすくなります。
一方、夕方から夜にかけては、副交感神経が優位になり、リラックスして血圧が下がる方も少なくありません。
そのため、朝と夜で血圧に差があるのは珍しいことではないのです。
◆血圧は意外と“気まぐれ”
さらに血圧は、ちょっとしたことでも変化します。
例えば、
・会話をする
・階段を上る
・急いで身支度をする
・トイレを我慢する
・緊張する
・睡眠不足になる
こうした日常の出来事だけでも、血圧は簡単に変動します。
「今日は高かった……」
「昨日は低かったのに……」
と不安になる気持ちはよくわかります。
でも、1回の数字だけで一喜一憂する必要はありません。
◆大切なのは“通知表”を見ること
私は患者さんに、
「血圧は、その日のテストの点数ではなく通知表のようなものですよ」
とお話ししています。
テストで1回80点を取ったからといって、その人の学力が決まるわけではありません。
逆に、1回だけ100点でも安心できません。

血圧も同じです。
大切なのは、毎日の記録を積み重ねて、全体の傾向を見ることです。
最近高くなってきているのか。
季節によって変化しているのか。
薬の効果は安定しているのか。
こうしたことは、家庭血圧の記録があってこそ見えてきます。
◆毎日の記録は未来の自分への健康日記
家庭血圧は、「測ること」が目的ではありません。
自分の体の変化に気づき、将来の脳卒中や心筋梗塞などの予防につなげることが目的です。
毎日の記録は、未来の自分への健康日記のようなもの。
無理に完璧を目指す必要はありません。
まずはできる範囲で、同じ条件で測り、記録を続けてみてください。
病院で1回測った数字よりも、家で積み重ねた記録の方が、あなたの本当の血圧を教えてくれます。
ぜひ今日から、家庭血圧と上手に付き合っていきましょう。
