- 2026年7月18日
松本人志さんの大腸がん公表で考える|血便は放置しないで!40歳を過ぎたら大腸カメラを
◆松本人志さんのニュースを見て、改めて感じた二つのこと
松本人志さん(62歳)が、大腸がんの手術を受けられたことを公表されました。
報道によると、きっかけは「血便」だったそうです。しばらく様子を見たあと医療機関を受診し、大腸がんが見つかり手術を受けられました。
私は消化器内科医として、毎日のように大腸内視鏡検査を行っています。
その立場から今回のニュースを見て、改めて強く感じたことが二つありました。
① 大腸がんは完全には防げない
一つ目は、「大腸がんを完全に防ぐことは難しい」ということです。
大腸がんのリスクには、
- 年齢
- 遺伝的な体質
- 食生活
- 飲酒
- 肥満
- 運動不足
- 喫煙
など、さまざまな要因が関係しています。(▶️がん情報サービス)
松本さんは40代半ばから本格的に筋力トレーニングを続け、誰が見ても健康的な体を維持されていました。しかし60歳前半にしてこの病気を患われました。

もちろん、私たちは食生活の改善や運動が大腸がんの予防であることをお伝えていませす。しかし、それだけで大腸がんを完全に防げるわけではありません。
だからこそ、「健康だから大丈夫」と思わず、年齢に応じた検査を受けることが大切なのです。
② 血便は「様子を見る症状」ではありません
もう一つ感じたのは、「血便は様子を見てはいけない症状」ということです。
診察室でも、大腸がんの病名をお伝えした患者さんから
「痔だと思っていました」
「そのうち治ると思っていました」
という話をお聞きすることは少なくありません。
もちろん血便のすべてが大腸がんではありません。
痔やポリープ、大腸炎など良性の病気も多くあります。
それでも、「血便があれば一度検査を受ける」ことがなければ病気からの大切な「サイン」を見逃すことになりかねません。
◆大腸がんは初期には症状がありません
その他のがんと同様に、大腸がんにも初期には症状がないことがほとんどです。
そのため、
- 健康診断の便潜血検査
- 大腸カメラ
で偶然見つかるケースも少なくありません。
一方で進行すると、
- 血便
- 便が細くなる
- 便秘と下痢を繰り返す
- 残便感
- 貧血
- 体重減少
などの症状が現れることがあります。(▶️日本対がん協会)
つまり、症状が出たときには「様子を見る」のではなく、早めに医療機関を受診することが大切です。
◆大腸カメラは「がんを探す検査」だけではありません
私はいつも患者さんに、
「40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを受けましょう」
とお話ししています。
実際、私の周りの内視鏡医の多くは40歳を目処に大腸内視鏡検査を受けています。(▶️当院ブログ「私たち専門医は40歳で受けています|大腸カメラで始めるがん予防」)

その理由は、大腸カメラには「早期発見」だけでなく「予防」という大きな役割があるからです。
大腸がんの多くは、「腺腫」と呼ばれる一部のポリープが長い年月をかけてがんへ進展すると考えられています。
そのため、腺腫の段階で切除することで、大腸がんの発生リスクを大きく減らせることが分かっています。
大腸がんは、数あるがんの中でも予防が期待できる数少ないがんの一つなのです。
◆「思ったより楽でした」という声をよくいただきます
「大腸カメラは痛そう」
「恥ずかしい」
「つらそう」
そのようなイメージを持たれている方は少なくありません。
しかし、検査後には
「思ったより楽でした」
という感想をいただくことが非常に多いのも事実です。
検査を引き延ばしにすればするほど不安は悪化します。検査を早く受けることでその不安は解消されるかもしれません。
不安がある方ほど、ぜひ一度ご相談ください。(▶️当院内視鏡の予約、相談はこちら)
◆まとめ
今回のニュースは、多くの方が大腸がんについて考えるきっかけになったのではないでしょうか。
私自身も改めて、
- 健康的な生活だけでは完全に防げないこと
- 血便は放置してはいけないこと
- 40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを受けていただきたいこと
を強く感じました。
今回のニュースが、「40歳を過ぎたら一度は大腸カメラ」を考えるきっかけになれば幸いです。
