- 2026年7月26日
【医師が患者になって分かった】入院初日は何をしている?抜釘手術で再入院した一日の流れ
◆入院初日は何をしている?抜釘手術で再入院した一日の流れ
「入院した日は、検査などの予定がなければ病室でゆっくり過ごすことができる。」
そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は私も、患者になるまではどこかそんな印象を持っていました。
医師として入院患者さんを診察することは日常ですが、病室へ伺うのは診察や説明の時間だけです。その前後に患者さんがどのような一日を過ごしているのか、実はあまり知りませんでした。
今回、鎖骨骨折で2度の入院を経験し、患者さんが入院中にどのような時間を過ごしているのかを少し実感することができました。
◆初回とは少し違う気持ちで病院へ
先日、鎖骨を固定していたプレートを取り除く「抜釘(ばってい)」のため、再び入院してきました。
プレートはそのままにするケースもあるようですが、私の場合、プレートが他の健康な骨へ接触する形で挿入されており、肩が十分に動かせませんでした。(▶️リペアセルクリニックさん 鎖骨骨折プレートの除去時期はいつ?)

前回は骨折を治すための手術でした。(詳しくは▶️犬の散歩でまさかの骨折!元ハンドボール部医師が「受け身」を発動した結果・・実録ブログ)
「これで骨が治る。」
「もう一歩回復に近づく。」
そんな目標があり、不安はあっても前向きな気持ちで病院へ向かいました。
一方、今回はすでに痛みはなく、役目を終えたプレートを取り除く手術です。
治療というより一区切りをつけるための処置という印象で、少し複雑な気持ちで病院へ向かいました💦
◆入院初日は思った以上に忙しい
午後2時に入院。
「今回は治療というわけでもないから、病室でゆっくり過ごす時間があるのかな。」
そう思っていましたが、実際はまったく違いました。
病棟の看護師さん、手術室の看護師さん、麻酔科の先生、薬剤師さんと、次々に説明や確認に来てくださいます。
さらに、住所、自分だけでなく、家族の連絡先(緊急時の連絡のため)はもちろんのこと手術や麻酔の同意書への署名、アレルギーや普段飲んでいる薬の確認など、書類の手続きも続きます。
患者さんから、
「検査がない入院した日は何をしているんですか?」
と聞かれることがありますが、実際には説明や確認事項が多く、気付けば夕方ということも少なくありません。
こうした一つひとつの確認が、安全に手術を受けるために欠かせない準備なのだと、患者になって改めて実感しました。
◆前回の経験は次の治療につながる
麻酔科の先生からは、
「前回の手術で困ったことはありませんでしたか?」
と聞かれました。
私は術後の吐き気が強かったことをお伝えしました。
すると、
「今回は薬を変えてみましょう。」
とのこと。
患者さんの経験をもとに、より楽に手術を受けられるよう工夫してくださる。その姿勢に、とても安心しました。
(そして実際、前回会った手術後の吐き気は皆無でした!その話はまた後日しますね😄)
◆緊張をほぐしてくれた看護師さんからの一言
病棟の看護師さんとのやり取りも印象的でした。

身長、体重、既往歴、生活習慣などの問診の時です。
「身長は159cmです。」
そうお伝えすると、
「164cmくらいにしておきましょうか?」
思わず笑ってしまいました。
手術前は誰でも緊張します。
そんな何気ない一言が、不思議と気持ちを軽くしてくれるものですね。
◆密かに楽しみにしていた電動ベッド
今回の入院で、実は楽しみにしていたものがあります。
それが電動ベッドです‼️
頭側だけでなく足側も自由に動かせるので、読書はもちろん、オーバーベッドテーブルを使えばパソコン作業まで驚くほど快適でした。
患者さんから「病院のベッドは眠りにくい」と聞くことがありますが、今回のベッドは思っていた以上に快適で、過ごしやすい時間を作ってくれました。
◆手術前夜
翌日は朝から絶食です。
前回の入院の経験もあり
「今日のうちにしっかり食べておこう。」
そんな気持ちになり、病院食に加えてコンビニでポテトサラダとごぼうサラダを買い足しました(食事制限のない入院のためです)。
食事を終えてベッドで本を読みながら過ごしていると、時計は午後9時。
消灯時間です。
居心地の良いベッドのおかげだったのか、それとも翌日の手術への緊張だったのか。
気付けば眠りについていました。
◆患者になって初めて見えたこと
医師として病院で働いていると、入院は日常の風景です。
しかし患者さんの立場になると、見える景色はまったく違いました。
説明を待つ時間、不安を抱えながら迎える夜、スタッフの何気ない一言に安心する気持ち。
その一つひとつが、患者さんの日常なのだと改めて感じました。
今回の経験は、私にとって「手術を受けた経験」だけではなく、「患者さんの立場をより深く理解する時間」でもありました。
この経験を、これからの診療に少しでも生かしていきたいと思います。
次回は、いよいよ抜釘手術当日の様子をお話しします。
