• 2026年10月25日

健診でクレアチニンが高い・eGFRが低いと言われたら?

健康診断の結果を見ると、「クレアチニン」や「eGFR」という項目があります。

「クレアチニンが高いと言われたけれど、何が問題なの?」
「eGFRが60未満だったけれど、腎臓が悪いということ?」

このような疑問や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

クレアチニンとeGFRは、どちらも腎臓の働きを調べるための大切な指標です。▶️厚生労働省「慢性腎臓病(CKD)」

今回は、それぞれの数値が何を意味するのか、健診で異常を指摘された場合にどう考えればよいのかを解説します。

◆クレアチニンとは?

クレアチニンは、筋肉でエネルギーを使う際に生じる老廃物です。

体内で一定量が作られ、主に腎臓から尿へ排出されます。

通常、作られる量と排出される量のバランスが保たれているため、血液中のクレアチニン濃度は比較的安定しています。

ところが、腎臓の働きが低下すると、クレアチニンを十分に排出できなくなり、血液中の数値が上昇します。

つまり、クレアチニンが高い場合は、腎臓の働きが低下している可能性があるということです。

ただし、クレアチニンは筋肉量にも影響されます。

筋肉量が多い方では高めになることがあり、反対に筋肉量が少ない高齢者では、腎機能が低下していてもクレアチニンがあまり高くならない場合があります。

また、脱水などによって数値が変化することもあります。

クレアチニンの数値だけで腎臓の状態を判断するのではなく、ほかの検査結果と合わせて評価することが大切です。

◆eGFRとは?腎臓のフィルター機能を表す数値

健診では、クレアチニンと並んで「eGFR」という項目も確認できます。

eGFRは、推算糸球体濾過量と呼ばれる数値です。

腎臓には、血液を濾過して老廃物などを取り除く「糸球体」という細かな血管の集まりがあります。

eGFRは、この糸球体がどれくらい血液を濾過できるかを推定したものです。

いわば、腎臓の「フィルターとしての性能」を表しています。

eGFRは、血液中のクレアチニン値、年齢、性別などから計算されます。

一般に、eGFRが60未満になると注意が必要とされています。

ただし、eGFRは年齢とともに低下する傾向があります。

また、クレアチニン値がわずかに変化しただけでも、eGFRの数値が変わることがあります。

そのため、eGFRが60を少し下回ったからといって、必ずしも深刻な腎臓病があるとは限りません。

一方で、年齢による変化だからといって、必ずしも問題がないとも言い切れません。

数値の程度や変化、尿検査の結果などを総合的に判断する必要があります。

◆eGFRが60未満なら、腎臓病なのでしょうか?

ここは、ぜひ知っておいていただきたいポイントです。

慢性腎臓病(CKD)は、腎機能の低下や尿たんぱくなどの腎障害が、原則として3か月以上続いている場合に診断されます。

そのため、1回の健診でeGFRが60未満だったからといって、それだけで慢性腎臓病と診断されるわけではありません。▶️全国腎臓病協議会|慢性腎臓病の診断基準

特に確認したいのが、尿検査の結果です。

尿たんぱくが陽性の場合、腎臓に障害が生じている可能性があります。

一方、尿たんぱくが陰性で、eGFRも以前から大きく変化していない場合には、年齢などの影響も考慮して判断します。

実際に、eGFRの数値だけを見て不安に感じる方もいらっしゃいますが、大切なのは、eGFRの数値だけでなく、尿たんぱくの有無や過去の検査結果も合わせて評価することです。

なお、尿たんぱくが陰性でも、慢性腎臓病が存在する場合はあります。

eGFRが60未満の状態が続いている場合や、以前と比べて数値が大きく低下している場合には、医療機関で相談しましょう。

◆健診で異常を指摘されたら、どうすればよい?

クレアチニンやeGFRの異常を指摘された場合は、次の点を確認することが大切です。

  • クレアチニンやeGFRがどの程度の数値なのか
  • 以前の健診結果と比べて変化しているか
  • 尿たんぱくや尿潜血が陽性になっていないか
  • 高血圧や糖尿病などの病気がないか

これらの情報を確認することで、腎臓の状態をより適切に評価できます。

特に、eGFRが急に低下した場合や、尿たんぱくが陽性の場合には注意が必要です。

健診で要受診・要精密検査と指摘された場合は、症状がなくても医療機関を受診してください。

腎臓の病気は、初期には自覚症状がほとんどないことも少なくありません。

早い段階で異常に気づくことが、腎機能を守るための第一歩です。

◆まとめ

クレアチニンとeGFRは、腎臓の働きを評価するための大切な指標です。

クレアチニンが高い場合やeGFRが低い場合には、腎機能が低下している可能性があります。

ただし、eGFRは年齢やクレアチニン値の影響を受けるため、数値だけで腎臓病と決めつけることはできません。

尿たんぱくの有無や過去の検査結果も含めて、総合的に判断することが重要です。
▶️国立循環器病研究センター「慢性腎臓病」

健康診断で異常を指摘されたら、放置せず、医療機関で相談しましょう。

◆よくある質問

Q. eGFRが60未満でした。すぐに治療が必要ですか?

A. eGFRが60未満でも、1回の検査結果だけで慢性腎臓病と診断されるわけではありません。尿検査や過去の検査結果などを確認し、必要に応じて再検査や詳しい検査を行います。

Q. 尿たんぱくが陰性なら、腎臓は大丈夫ですか?

A. 尿たんぱくが陰性でも、腎機能が低下している場合があります。eGFRやクレアチニンの数値、過去からの変化なども含めて判断することが大切です。

Q. クレアチニンは高くないのに、eGFRが低いのはなぜですか?

A. eGFRはクレアチニン値だけでなく、年齢や性別も用いて計算されるためです。高齢の方では、クレアチニンが基準範囲内でもeGFRが低くなることがあります。

健診で腎機能の異常を指摘された方は、結果をそのままにせず、一度ご自身の腎臓の状態を確認してみましょう。

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