生活習慣病について

生活習慣病イメージ

生活習慣病には、糖尿病や高脂血症、高血圧、脂質異常症(コレステロールや中性脂肪が高い疾患)、痛風などがあります。これらは主に食べ過ぎ、運動不足といった日々の生活習慣の不摂生が原因で起きてきます。

この生活習慣病と肥満が重なると動脈硬化をおこし、脳血管疾患、心臓病など命に係わる病気へのリスクがさらに高くなるとされています。そうした事態を招かないように、定期的な通院で生活習慣病をコントロールすることが重要です。

治療は、生活習慣の改善が基本となりますが、食事療法、運動療法、喫煙、飲酒、睡眠時間、ストレス管理に至るまで、幅広く考えていく事で効果的に進める事が出来ます。必要と判断した場合には薬物療法も行います。

糖尿病

糖尿病とは、体を動かすエネルギー源である糖(ブドウ糖)を細胞が取り込めなくなって、血液中に溢れてしまう病気です。

健康な人なら、インスリンというホルモンがしっかり働き、血液中の糖を細胞に送り込んでエネルギー源にしたり、あるいは脂肪やグリコーゲンという物質に変えて蓄えたりします。このインスリンが足りなくなったり、足りていてもうまく細胞に作用しなくなったりした状態が糖尿病(耐糖能異常)なのです。

糖尿病型
以下の(1)~(4)のいずれかが確認された場合は「糖尿病型」と判定されます。

  1. (1) 早朝空腹時血糖値126mg/dL以上
  2. (2) 75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)で2時間値200mg/dL以上
  3. (3) 随時血糖値200mg/dL以上
  4. (4) HbA1c(NGSP値)が6.5%以上
    HbA1cとは、赤血球のヘモグロビンにブドウ糖が結合したものです。
    この数値は、採決時から過去1、2ヶ月間の平均血糖値を反映しています。

糖尿病の治療

糖尿病は現在のところ、完治させることはできません。ただ、糖尿病そのものは治せなくても、血糖値を正常に保ち、糖尿病による合併症(目、神経、腎臓の合併症)を起こさずに健康を維持することは十分に可能です。そして血糖値を正常に保つ上で重要になるのが、継続的な“コントロール”です。医師の指導のもと、まずは食事療法と運動療法を行います。これだけで正常値になる患者様もいらっしゃいます。糖尿病が進行してしまったケースだったり、食事・運動療法だけでは血糖値がうまく下がらなかったりするような場合には、薬物療法やインスリン療法を行うことになります。

高血圧

高血圧とは、血圧がある程度の範囲を超えて高く維持されている状態です。人の血圧は自律神経によって調整されており、刻一刻と変化しています。朝、緊張している時やストレスがかかっている時には血圧が上がりますし、夜リラックスしている時には、低くなります。ですから、一度血圧を測って高かったからと言って、すぐに高血圧とは診断をつけませんし、その後に基準値内に下がれば、一概に高血圧とは言えません。血圧のいつも高い状態が継続していることが問題なのです。

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脂質異常症

脂質異常症(高脂血症)というのは、血液中の脂質、具体的には「コレステロール」や「中性脂肪(トリグリセライドなど)」の濃度が高い状態のことです。
高LDLコレステロール血症低HDLコレステロール血症高トリグリセライド血症
脂質異常症を放置すると、増えた脂質がどんどん血管の内側に溜まって動脈硬化の進行を促進してしまい、ついには心筋梗塞や脳梗塞の原因となってしまいます。 また、高血圧と同様に自覚症状が無いため、健康診断などの機会を利用して、早い段階で診断をつけることが大切です。

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痛風

痛風は、その発症前に血液の尿酸濃度が高くなり過ぎた状態が長く続きます(高尿酸血症)。それを放置すると、尿酸が関節の中で固まって結晶になるため関節炎を起こし、ある日突然、足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛み出します。これがいわゆる「痛風発作」です。その痛みは耐えがたいほどで、「痛風」という病名には「風に吹かれただけでも痛い」という意味合いが込められています。

痛風を起こす人は、そうでない人よりも心筋梗塞や脳梗塞になりやすいことが知られています。これは、痛風に糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が合併しやすく、すると動脈硬化が早く進むためです。

この病気の研究は進み、良い薬も開発されたため、正しい治療を受け、生活改善をすれば、まったく健康的な生活が送れます。しかし放置すると怖いので、専門知識を持った医師に相談の上、きちんと治療を受けることが大切です。

痛風の原因となる高尿酸血症

高尿酸血症は、内臓脂肪の蓄積によってもたらされる病気です。

内臓脂肪が蓄積されると、その脂肪細胞から多くの遊離脂肪酸が分泌されます。それが血流に乗って肝臓に運ばれると、プリン体の代謝を過剰にし、その老廃物である「尿酸」がたくさんつくられるようになります。血液検査によって尿酸値が7mg/dL以上確認されると、高尿酸血症と診断されます。この状態が長い期間続くと、痛風や尿路結石といった激痛を伴う病気になりやすくなります。

高尿酸血症の国内の患者数は、現代では500万人以上と言われており、痛風患者の10倍以上です。その7割程度にメタボリックシンドロームの可能性があると言われています。

前述のように、高尿酸血症が進行していくと、結晶となった尿酸が関節・足先や耳たぶなどに溜まります。そしてその部分に炎症が生じ、激痛を伴う痛風発作が起こります。また腎臓に溜まって結石ができると背中に痛みが生じ、尿管や膀胱に移行すると、その部分で炎症を起こし、激痛を招きます。

高尿酸血症の予防には、食事量とアルコール量を減らし、脂肪分の多い食事やプリン体の多い食事(ビール・レバー・魚卵など)を控えめにする、水分と野菜を多く摂る、軽い有酸素運動を継続的に行う、といった生活改善が必要です。